2021年9月30日木曜日

<民なくして>コロナ対策、少子化、貧困問題…自民・岸田新総裁に市民は何を望んでいるのか:東京新聞 TOKYO Web

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<民なくして>コロナ対策、少子化、貧困問題…自民・岸田新総裁に市民は何を望んでいるのか:東京新聞 TOKYO Web

2-3 minutes

 菅義偉首相の後継となる自民党新総裁に決まった岸田文雄前政調会長に対し、現在の政治の至らなさを指摘した人たちは、何を感じたか。近づく衆院選にどのように向き合うのか。18日から随時掲載している本紙の企画「民なくして」で登場した市民に、あらためて意見を聞いた。(宮本隆康、加藤益丈、中村真暁、奥野斐)

◆「改革に挑む感じではない」

尾和正登さん

尾和正登さん

 「コロナ対策をきちんと議論せず、党内の有力者の調整で生まれた新総裁で、新しい政策や根本的な改革に挑む感じではない」

 岸田氏の印象をこう語るのは、東京・新橋で居酒屋を2軒経営する尾和おわ正登さん(53)。営業自粛で社員を減らし、協力金の支給遅れに苦しむコロナ禍の1年半を18日付朝刊で振り返った。飲食店への対応を含めコロナ対策が不十分な政治に怒りは消えない。衆院選が近づくが「首相が代わっても、私の投票先に影響することはない」と淡々。

◆「医療現場分かっている感じ」

大谷義夫さん

大谷義夫さん

 「岸田氏は新型コロナの内服薬の年内普及を目指すと言っており、4人の総裁候補の中で一番、医療現場を分かっている気がした」。東京都豊島区の「池袋大谷クリニック」院長の大谷義夫さん(57)は期待する。

 発熱患者を診察する大谷さんは20日付朝刊で、医療体制が逼迫した8月、政府が入院対象者を重症者らに限ろうとしたことに憤りをあらわにした。

 心配される第6波を最小限にとどめるにはワクチン接種の拡大と、内服薬の普及が重要とみるが、衆院選は別の視点で投票したいという。「コロナは緊急の課題だが、一番大切なのは少子化問題。与野党ともしっかり考えた政策を出して」

◆「一人一人への支援や保障の充実を」

生活困窮者支援団体の女性職員

生活困窮者支援団体の女性職員

 自民党員らしか投票できない総裁選を「勝手に盛り上がっている印象だった」と評するのは、コロナ禍で仕事や居場所を失う経験をした都内在住の20代女性。23日付朝刊で、死を選ぶことも考えた窮状を語った。

 岸田氏には「今はみんな困っている。コロナ禍でぶっ壊れたものをどうにかしてほしい。一人一人への支援や保障を充実させ、再び困難な情勢になっても、今回のような状況に陥らない対策を」と要望した。

 現在は生活困窮者支援団体の事務所で働く。「政治と自分の生活とのつながりを実感するようになった。衆院選の投票先は、首相が代わって政治が今後どう変わるのかも参考にしたい」

◆「子ども育てやすい国に」

認可保育園の休園中、40代の母親は仕事を休まざるを得なかった(本人提供)

認可保育園の休園中、40代の母親は仕事を休まざるを得なかった(本人提供)

 「首相として所信表明演説を聞いてみないと、どんな人か、やる気があるのか分からない」。横浜市で保育園児と小学校低学年の2人姉妹を一人で育てる40代女性は冷ややかだ。

 26日付朝刊で、コロナ禍で収入が減った上、子どもを預ける保育園が休園した際は長期間働けずに貯金を取り崩す暮らしぶりを明かした。「子どもや親世代への支援が足りない。コロナ禍でより一層、子どもを育てにくい国だと実感した。衆院選では、生活がより良くなるような候補者に投票したい」と話した。

韓国、高齢人口比率高まるが、高齢者貧困率はOECDで最高

 japan.hani.co.kr

韓国、高齢人口比率高まるが、高齢者貧困率はOECDで最高

한겨레
2-2 minutes

高齢者の平均余命は毎年増えるなかで 
虐待を経験した高齢者もますます増加

資料写真=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国の高齢者貧困率は、その改善傾向が緩慢な中で、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も高いことが分かった。全人口に高齢者が占める割合と高齢者の平均余命は毎年増えているが、高齢者の虐待経験率も合わせて増加している。

 10月2日の老人の日を控えて、統計庁が29日に発表した「2021高齢者統計」によると、今年の韓国の65歳以上の高齢人口は、全人口の16.5%にあたる853万7千人。国連は65歳以上の人口が全人口に占める比率が7%を超えれば「高齢化社会」、14%を超えれば「高齢社会」、20%を超えれば「超高齢社会」に分類する。韓国は、2017年にすでに高齢社会になった。統計庁は、高齢人口の比重が今後も増加を続け2025年(20.3%,1051万1千人)に超高齢社会に進入すると推定する。

 高齢者たちの経済条件はなかなか改善の兆しが見られない。韓国の66歳以上の引退年齢層の相対的貧困率(中位所得の50%以下)は、2019年基準で43.2%だ。2016年以後、毎年改善傾向を辿っているが、その速度はきわめて緩慢だ。韓国の高齢者貧困率はOECD加盟国の中で圧倒的1位だ。国際比較が可能な2018年基準で、韓国の高齢者貧困率(43.4%)はラトビア(39%)、エストニア(37.6%)、メキシコ(26.6%)より高い。

 にもかかわらず、貧困高齢者のための国家の公的努力は振るわない状況だ。文在寅(ムン・ジェイン)政権でなされた高齢者福祉の拡大は、基礎年金が10万ウォン(約1万円)引き上げられたのが事実上すべてだ。基礎生活保障制度(日本の生活保護制度に相当)も中位所得の30%を基準として対象者を選定するために、極貧層の救済には意味があっても、高齢者貧困率の大きな改善を引き出すのは難しい。

 ソウル大学のク・インフェ教授(社会福祉学)は「韓国は高齢化が非常に速く進んでおり、多くの高齢者が年金を受け取れなかったり、またはその金額が少ないので、まずは政府が財政投入を通じて貧困高齢者の所得を補填する必要がある」としながら「今の政府は高齢者貧困に意欲的でなく、国民年金の改革議論もうやむやに延ばされた点も残念だ」と明らかにした。

 高齢者の平均余命は毎年増加している。65歳の生存者の平均余命は2019年基準で21.3年、75歳の生存者の平均余命は13.2年で、1年前より各0.5年ずつ増えた。韓国の65歳の高齢者の平均余命は、女性23.4年、男性19.1年で、OECD加盟国の中で上位圏だ。特に65歳の女性高齢者の平均余命は、日本(24.6年)、フランス(23.9年)に次いで高い。平均余命は特定時点を基準として予想される残余寿命を指す。

 こうした中で虐待を経験した高齢者の割合も増え続けている。高齢者の虐待被害経験率は、2019年には10万人当たり68.2人であったが、昨年は77人まで増加した。2015年(55.2人)に比べれば5年で39.5%も増えた。特に女性高齢者の虐待被害経験率は102.1人で、男性(44.1人)の2.3倍にもなる。80歳以上の高齢者の場合、10万人当たり122.5人が虐待被害を経験している。

イ・ジヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr

生理用ナプキンを無料で受け取れる「オイテル」が本格始動

 

www.timeout.jp

生理用ナプキンを無料で受け取れる「オイテル」が本格始動

Time Out Tokyo Editors
2-2 minutes

生理用ナプキンを無料で受け取れるシステム『オイテル(OiTr)』が実証テスト実験を経て、2021年8月、本格的にスタートを切った。春先から実証テストを行っていた三井ショッピングパークららぽーと富士見のほか、中野区役所や横浜市役所、中部国際空港セントレアに導入されており、企画を手がけたオイテル専務取事業本部長である飯﨑俊彦は、「最初の1年間で3000台を目指す」と語る。

『オイテル』とは

『オイテル』は女性トイレの個室内に設置。スマートフォンに専用アプリをダウンロードし、アプリを起動した状態でディスペンサー(本体機器)にかざすと、取り出し口から生理用ナプキンを無料で1枚取り出せる。現在は『エリス コンパクトガード 多い昼用(羽付き)』を使用しているが、今後、 種類を増やしていく予定もあるそうだ。

『オイテル(OiTr)』
『オイテル(OiTr)』

入手できる枚数には制限があり、2回目以降は初回の2時間後から利用でき、25日間で7個が上限となる。スマートフォンとディスペンサーを使うことで大量に持ち出されることを避けるという意図も込められており、今後は、利用者の声を聞きつつブラッシュアップしていくそうだ。

ディスペンサーには無声音の広告動画が流れる。これは、便座に座ることで人をセンサーが感知し、ディスペンサーを使う人だけではなく、個室を利用する人全員に流れるもので、生理用ナプキンなどの経費はこの広告収入からまかなわれる。

担当者の思いと立ち上げのきっかけ

『オイテル』立ち上げのきっかけは、「ビジネスで社会課題を解決したい」という思いだった。待機児童や少子高齢化、保険制度などさまざまな社会課題のなかで どこから着手しようと考えた末、「ジェンダーギャップという不均衡の是正」「女性特有の健康問題における様々な負担の解決」を視野に動き出す。そんななか、飯﨑はインターネット上で「トイレットペーパーは常備されているのに、なぜ生理用ナプキンはされてないのか」というある女性の声を目にする。このことをきっかに、社会課題の解決となる事業にフォーカスすることができる同プロジェクトを始動。

こうして、生理にともなうさまざまな負担を軽減することで、生理のある人たちのQOLの向上につながればとサービスをスタートさせた。

経済的な問題解決のためだけではない

「金銭的な問題で生理用品が買えないということを解決するためのサービスだと思われがちですが、決してそうではありません。日本では『生理の貧困』を経済的困窮と結びつけてしまう傾向が強いですが、むしろ生理に伴う心や体の負担を軽減したいという考えの方が強かった。ナプキンがトイレットペーパーのように個室にあることで、ずいぶん軽減されるのではないかと考えました」

ナプキンを無料で提供することは、経済的な貧困の解決にもつながるが、そう単純にとらえられるものでもないようだ。実際、ららぽーと富士見での実証段階では、『必要でしたので使わせていただきましたが、生理の貧困ではない私が使ってよかったのか。少し後ろめたさを感じてしまいました』といったことがあった

オイテルは必要なすべての人に行き届くサービスでありたいと考ていただけに、そんな思いを感じさせてしまうことは残念です」と飯﨑。

反響は上々で、全国から多くの問い合わせがあり、生産台数や設置が追い付いていない状態だ。なお、今後はスマートフォンを使わないディスペンサーの開発も視野にあるという。

『オイテル(OiTr)』の公式サイトはこちら

テキスト:長谷川あや

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自民党新総裁に岸田氏 道内各党の反応|NHK 北海道のニュース

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自民党新総裁に岸田氏 道内各党の反応|NHK 北海道のニュース

日本放送協会
2-2 minutes

自民党の新しい総裁に岸田前政務調査会長が選ばれたことについて、道内の政党の反応です。

【自民】
自民党道連の冨原亮幹事長は、道議会内でNHKの取材に対し、「党内の幅広い議論が展開された総裁選挙を通じて誕生した岸田新総裁の手腕に期待したい。新型コロナウイルスで道内経済は大きな打撃を被っており、医療面を含め、影響を受けている分野への対応を早急に求めたい」と述べました。
そのうえで、「先の旭川市長選挙などでも、『自民党が新たなリーダーを誕生させる』ということが追い風として働いた面もあると考えている。衆議院選挙に向けていっそう気を引き締めて戦いに臨んでいきたい」と述べました。

【立民】
立憲民主党道連の梶谷大志幹事長は、道議会内でNHKの取材に対し、「岸田新総裁は自民党を変えていくと訴えていたのだから、派閥に忖度するような政治から脱却し、国民と向き合うべきだ。新しい政権、新しい自民党に本当に変わったのかが問われる」と述べました。
そのうえで、「次の衆議院選挙はどういう政治をしていくべきなのか国民に直接問う戦いだ。いまの自民党政権のあり方を問い、国民とともに政治をつくるという、本来あるべき姿を取り戻せるよう訴えていく」と述べました。

【公明】
公明党道本部の阿知良寛美幹事長は、道議会内でNHKの取材に対し、「岸田新総裁には国民の声を真摯に受け止め、誠実に説明してもらえるよう期待したい。緊急事態宣言が解除され、今後、感染のリバウンドも心配される中、しっかりと国民への説明を果たしてもらいたい」と述べました。
そのうえで、「自民党と公明党がしっかりと協力しながら、安定政権を目指していきたい。衆議院選挙に向けて新型コロナウイルスの影響を受けた事業者が、『もう一度、頑張ろう』と決意できるような力強い政策を前面に打ち出してほしい」と述べました。

【共産】
共産党道委員会の千葉隆書記長は、札幌市内でNHKの取材に対し、「『安倍・菅政治』の行き詰まりはどこに問題があったのか、何が国民から受け入れられなかったのか、岸田氏の発言からは見えてこなかった。新型コロナウイルス対策や格差と貧困、ジェンダーの問題など、大事な問題について答えは示されておらず、岸田政権になっても新しい政治は望めないという印象だ」と述べました。
そのうえで、「コロナ禍で、弱肉強食と自己責任を押しつけるような新自由主義的な国づくりでよいのかが問われている。衆議院選挙は、市民と野党が結束して政権を変える選挙にしたい」と述べました。

プレスリリース【北京2021年9月28日PR Newswire=共同通信JBN】「小康社会」、あるいは「あらゆる面で適度に繁栄する社会」は、中国国家が長年抱いていてきた夢を支えてきた言葉である。中

 www.minyu-net.com

プレスリリース

2-2 minutes

AsiaNet 91974 (2282)

【北京2021年9月28日PR Newswire=共同通信JBN】「小康社会」、あるいは「あらゆる面で適度に繁栄する社会」は、中国国家が長年抱いていてきた夢を支えてきた言葉である。中国は7月1日、こうした社会を構築するという最初の100年の目標を達成したと発表した。しかし人口14億の国、そして世界全体にとって、それは何を意味するのだろうか?

9月28日に発表された「貧困から繁栄に至る中国の壮大な旅」と題する白書がその答えを持っている。

▽中国人民による、中国国家のために
中国の伝統的な意味では、「小康」は完全ではないにもかかわらず、すべての人が適切に養われている状態をいう。これは1970年代に政治論文に再び導入され、中国共産党(CPC)はそれ以来、この概念を現実のものとする取り組みを主導してきた。

白書によると、これは「国家の復興に向けた重要な一歩」である。

小康社会の実現を経て中国は、今世紀半ばまでにあらゆる面で近代的な社会主義国を建設し、中華人民共和国建国100周年を祝賀するという第2の100年の目標を定めた。

白書は全面的な発展が適度な繁栄にとって絶対不可欠であると指摘し、適度に繁栄する社会を建設する過程において経済的、政治的、文化的、生態環境的な分野での進展を詳述している。

一例を挙げると、中国の経済力は大幅に増し、GDPは1952年の679億元(105億3000万ドル)から昨年は101兆6000億元(約15兆7000億ドル)へと急増した。

白書はまた、「すべての人にとっての繁栄」という概念を強調している。ここではすべての人が発展の果実を分かち合い、この種の社会では「いかなる個人、地域、少数民族も取り残されない」。

白書によると、貧しい人たちの生活水準は大幅に向上し、農村部のインフラストラクチャーでの成果は大きく、農村部と都市部の間の新たな関係ができつつある。

▽きわめて大きな世界的影響力を担う
人類の進歩にとっての小康社会の意義に関して白書は、世界で最も人口が多く、最大の発展途上国である中国がより繫栄し、より安定することは、それ自体が世界の平和と発展に貢献すると述べている。

適度に繁栄する社会を実現する過程で、中国は世界の貧困人口を劇的に減らすことを支援したと白書は指摘した。

習近平(Xi Jinping)国家主席は2月、絶対的貧困の根絶を発表し、2012年の第18回中国共産党全国大会以降、毎年平均1000万を超える困窮した人たちが貧困から抜け出したと述べた。

このことは、中国が国連の2030年持続可能な開発目標に設定された貧困根絶目標を計画より10年早く達成したことを意味する。

白書は一方、他の国により多くの市場、投資、成長の機会をより多く提供するために、中国の相互に有益な開放政策が一段と開かれた経済の構築に手助けとなるだろうと指摘した。

白書は、中国の経験は急速な成長と独立を求めるこうした国や人々に新たな選択肢を提供すると述べた。
https://news.cgtn.com/news/2021-09-28/China-issues-white-paper-about-achieving-moderately-prosperous-society-13UWW5MBRD2/index.html

ソース: CGTN

コロナ禍で懸念高まる「教育格差」 自己責任論では解決しない(日経ビジネス) - Yahoo!ニュース

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コロナ禍で懸念高まる「教育格差」 自己責任論では解決しない(日経ビジネス) - Yahoo!ニュース

2-3 minutes

日経ビジネス

生まれ育った家庭環境によって生じる学力偏差。コロナ禍によって拡大する貧困は次世代を担う子供たちにどのような影を落とすのか。早稲田大学の松岡亮二准教授は「社会経済的地位」によって生じた教育格差は自己責任論では解決しないと説く。「生まれ」による相対的な差を解消するために何が必要か。松岡准教授に聞いた。 【関連画像】松岡亮二(まつおか・りょうじ)。ハワイ州立大学マノア校教育学部博士課程教育政策学専攻修了。博士(教育学)。東北大学大学院COEフェロー(研究員)、統計数理研究所特任研究員、早稲田大学助教を経て、同大学准教授。 松岡亮二(まつおか・りょうじ) ハワイ州立大学マノア校教育学部博士課程教育政策学専攻修了。博士(教育学)。東北大学大学院COEフェロー(研究員)、統計数理研究所特任研究員、早稲田大学助教を経て、同大学准教授。日本教育社会学会・国際活動奨励賞(2015年度)、早稲田大学ティーチングアワード(2015年度春学期・2018年度秋学期)、東京大学社会科学研究所付属社会調査データアーカイブ研究センター優秀論文賞(2018年度)、WASEDA e-Teaching Award Good Practice賞(2020年度)、早稲田大学リサーチアワード<国際研究発信力>(2020年度)を受賞。著書『教育格差:階層・地域・学歴(ちくま新書)』は、1年間に刊行された1500点以上の新書の中から「新書大賞2020(中央公論新社主催)」で3位に選出。21年秋には編著『教育論の新常識:格差・学力・政策・未来 (中公新書ラクレ)』と共編著『現場で使える教育社会学 教職のための「教育格差」入門』(ミネルヴァ書房)が刊行された ―コロナ禍によって貧困層の拡大が懸念されています。教育は貧困を脱するための希望となりますが、生まれ育った家庭によって教育に格差が生じ、緩やかに社会的な階層が決まるのでしょうか。 松岡亮二氏(以下、松岡氏):本人に変えることができない初期条件である「生まれ」による「社会経済的地位(Socioeconomic status、 以下SES)」によって、全体の傾向として、教育の結果に差があります。こうした教育格差は、戦後の日本社会でずっと続いてきました。「2000年代以降に格差が拡大している」というような文脈で論じられがちですが、戦後に育ったすべての世代・性別において存在してきました。 ―1970年代には「一億総中流」社会となり高校への進学率も上昇しました。教育現場が荒れるなどの社会問題も発生したと思われますが、義務教育ではない教育機関への進学率が全国的に上昇すれば、生まれ育った家庭環境などによる教育格差は修正されるのではないでしょうか。 松岡氏:かつて、進学率が上がれば多くの人に学習の機会が行き渡って「生まれ」は関係なくなる、という見方がありました。ただ、現時点から振り返って答え合わせをすると、高校には大半が進学し、大学への進学率も上昇しましたが、「生まれ」による相対的な格差は縮まってきていません。かつて最終学歴が中学だった層が高校を卒業するようになっても、高卒だった層が大学卒業を目指します。全体が平均的に高学歴になると、経済的に有利な層が自分たちを周囲と差異化するために、より高い学歴を求めるわけです。  親が「自分の子供をより有利な立場にしてあげたい」と考えるのは自然なことです。社会経済的に恵まれた層がさまざまな資源を用いて子供の進学を有利に進めることで、社会全体として教育格差が維持される状況は戦後ずっと変わってこなかったと解釈できます。これは日本に限った現象ではなく、海外でも社会によって格差の大小に差はありますが傾向としては同様です。

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貧困“再発見”から15年…子どもの貧困対策が「現金給付」に消極的である理由 現金給付と現物給付をめぐる論理 - ライブドアニュース

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貧困“再発見”から15年…子どもの貧困対策が「現金給付」に消極的である理由 現金給付と現物給付をめぐる論理 - ライブドアニュース

9-11 minutes

貧困の再発見と子どもの貧困対策推進法の制定

「貧困」が再発見されたのは、2006年のことである。その頃、私は授業で恐る恐る「日本に貧困問題はあると思うか」と学生に尋ねた記憶がある。それほど「豊かな日本」には「貧困」はないという思い込みが広がっていた。

その後、2008年は「子どもの貧困元年」と言われ、2013年に議員立法により「子どもの貧困対策の推進に関する法」が制定される。そして、翌2014年、「子どもの貧困対策大綱」(以下、大綱)が閣議決定され、2019年には同法と大綱が改正される。

こうして様々な子どもの貧困対策が実施されるようになり、ひとり親世帯の貧困率の高さも広く知られるようになった。貧困が問題になり始めた2006年、竹中平蔵総務大臣(当時)は、日本社会に格差は存在するが、「社会的に解決しないといけない大問題としての貧困はない」と語ったそうだが、おそらく竹中氏も、今はもうそのようには言わないだろう。

〔PHOTO〕iStock

現金給付の抑制と現物給付の拡大

そうした中、子どもの貧困率は2012年の16.3%をピークに、2015年13.9%、2018年13.5%と減少してきた。なぜ減少したのか。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林庸平・横山重宏(2017)は、2015年の子どもの貧困率低下の要因は、「低所得層の賃金の増加が主因であり、社会保障の充実等が理由ではない」と分析する(「『子どもの貧困率の低下』の背景を探る」)。子どもの貧困対策にもかかわらず、社会保障による「現金給付」は拡充していないというのである。

確かに、貧困率を集計している厚生労働省の「国民生活基礎調査」を見ると、18歳未満の「児童のいる世帯」の社会保障給付金(年間)は、2013年の子どもの貧困対策法以後増加しておらず、むしろ減少している(2012年23.2万円、2015年17.4万円、2018年18.5万円)。

20歳未満の子のいる「母子世帯」の社会保障給付金も、2012年の49.3万円がピークであり、以後、2015年42.5万円、2018年37.3万円と減少している(次の表)。しかも、児童のいる世帯全体より、約半分が貧困世帯の母子世帯の方が、社会保障給付費の減少幅が大きい。

厚生労働省「国民生活基礎調査」(各年)より作成 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/20-21.html
母子世帯は、死別・離別・未婚などで、現に配偶者のいない65歳未満の母親と20歳未満の子(養子を含む)のみの世帯をいう。「社会保障」は、年金以外の社会保障給付金。「その他」は「公的年金・恩給」「財産所得」「仕送り・企業年金・個人年金・その他の所得」の合計。

その一方で、近年、「幼児保育・教育の無償化」や「高校授業料無償化」、「大学授業料無償化」などの教育支援が進められており、これらの「無償化」も、子どもの貧困を解決するための「現物給付」として位置づけられている。今日の子どもの貧困対策は、使途がある程度親に任されている現金給付を抑制あるいは削減して、教育や保育という特定の現物給付を拡充しているのである。

子どもの貧困対策の論理を考える

だが、2014年の大綱は、「経済的支援に関する施策については子供の貧困対策の重要な条件として、確保していく必要がある」と書いている。また、2019年の大綱は、「子どもの貧困に関する指標」として、ひとり親世帯の34.9%が、過去1年間に食料を買えなかったことがあったとするデータを挙げている。教育の現物給付をいくら拡充しても、このような子どもの切迫した貧困を直接解決することができない。にもかかわらず、なぜ子どもの貧困対策は貧困世帯への現金給付を拡充しないのだろうか。

一方、近年進められている幼児教育・保育の無償化は、そもそもは自民党が「国家戦略」として打ち出したものである(自民党文教制度調査会・文部科学部会 幼児教育小委員会「国家戦略としての幼児教育の無償化について」2008年)。

だが、自民党は野党時代、党の国家戦略本部の中長期政策「日本再興」(2011年7月)において、民主党政権の子ども手当は「子どもは社会が育てる」という「誤った考え方」に基づくものだと批判して、0歳児については「家庭で育てることを原則」とするという方針を打ち出している。

「子どもは社会が育てる」という理念が「誤った考え方」であり、無償化がそうした考えに基づくものでないとすれば、近年の無償化はどのような理念に基づく「国家戦略」なのだろうか。

つまり、ここで考えてみたいのは、子どもの貧困対策の是非や有効性についてではない。なぜ今日の子どもの貧困対策は、現金給付を抑制しながら、教育や保育の現物給付を拡充するのかということである。現金給付か現物給付かという対立は単なる優先順位や財源問題ではなく、そしておそらく有効性の問題でもないだろう。子どもの貧困対策の前提には、現金給付を抑制する論理と現物給付を進める論理があるからである。

結論的に言えば、子どもの貧困対策が現金給付を抑制するのは、現金給付が子どもの生活や生存を国家と社会が直接保障する制度だからだろう。それに対し現物給付の拡充は、教育機会や就労のチャンスを広げることによって、子ども自身が「貧困の連鎖」を断ち切るための政策である。したがって、今日の子どもの貧困対策は子どもを支援しつつも、貧困の解消そのものに責任を負うことはなく、その解決を子ども自身に委ねるものと言えるだろう。

児童福祉サービス(現物給付)の増加

では、まず、国立社会保障・人口問題研究所の「社会保障費用統計」より、「児童・家族関係」の社会保障給付費(給付総額)の推移について見ておこう。次のグラフを見ると、2013年の子どもの貧困対策推進法制定以来、現物給付が拡大する一方、現金給付が抑制されていることがよく分かる。

「児童・家族関係」の社会保障給付費は、高齢者関係給付に比べればはるかに給付総額が少なく伸び率も小さいものの、近年大幅に増加している。それは、「児童福祉サービス」の現物給付が急増しているからである。

児童福祉サービスの給付費は約7割が就学前教育・保育であり、2015年に実施された「子ども・子育て支援新制度」により、認定こども園、幼稚園、保育所を通じた給付(施設型給付)と小規模保育などへの給付(地域型保育給付)が創設されたことから、児童福祉サービスの給付費が急増することになった。2019年10月には「幼児教育・保育無償化」が実施され、児童福祉サービスの給付費はさらに増加している。

国立社会保障・人口問題研究所(2021)「令和元(2019)年度社会保障費用統計」より作成。児童家族関係給付費には、他に育児休業給付、出産関係費が含まれる。http://www.ipss.go.jp/site-ad/index_Japanese/security.asp

児童手当と児童扶養手当(現金給付)の抑制

一方、現金給付は抑制ないし減額されている。児童・家族関係の主な現金給付としては、中学生以下の子どものいる世帯に対する「児童手当」と、18歳未満の子どものいるひとり親世帯の低所得世帯に支給される「児童扶養手当」がある(2010年から父子家庭にも支給)。

児童手当の給付総額は、民主党政権時代の2010年度に「子ども手当」に変わったことによって急増するが、2012年度に再び児童手当に戻ってからは減少傾向が続く。近年の減少は子ども数の減少によるが、給付総額の減少にもかかわらず、児童手当を拡大する動きは見られない。

それどころか、2021年2月の閣議決定により、2022年10月から年収1,200万円以上の世帯には児童手当の「特別給付」(子ども1人月額5,000円)を支給しないことになった。それによって削減した金額(370億円)を保育所の整備にあてるという。これも現金給付を抑制し、現物給付を拡大する政策の一環と言えるだろう。

ひとり親世帯への児童扶養手当の抑制と削減

ひとり親世帯の低所得世帯に支給される児童扶養手当の給付総額は、2014年まで増加してきた。だが、それは児童扶養手当制度が拡充したからではなく、母子世帯の増加にともなって受給者数が増加したことが主な理由である(受給者は2012年が最多で108万人)。

そのため、かえって給付総額を抑制ないしは削減する措置がとられてきた。なかでも、小泉政権下の2002年には、一部支給の所得制限の緩和と引き替えに全額支給の所得制限が204.8万円から130万円へと大幅に引き下げられ、受給5年後で支給額を半額まで減らす「一部支給停止制度」(2008年より実施)と一部支給の金額を所得により10円単位で減額する逓減制度が導入された。

子どもの貧困対策の登場以後は、さすがにこうした削減は行なわれなくなり、ようやくわずかに拡大したが、それは、母子世帯の減少により、児童扶養手当の受給者が減少したためだろう。2016年には、第2子への支給額が月額5,000円から10,000円へ、第3子以降は3,000円から6,000円へ引き上げられた。第2子への増額は、実に1984年以来、3人目以降の引上げは1994年以来のことである(第1子は1990年代半ば以降、月額約4万2000円でほとんど変わらない)。

また、2018年には、全額支給の所得制限が年収130万円未満から160万円未満へと緩和されたが、160万円という額は、所得制限を361万円から171万円へと大幅に引き下げた1985年の水準にも及ばない。子どもの貧困対策は、相変わらず児童扶養手当の拡大に抑制的で消極的な姿勢をとり続けていると言えるだろう。

生活保護の「生活扶助」の引き下げ

児童扶養手当以上に抑制・削減されてきたのが、生活保護である。生活保護は、小泉政権下の2005年に削減され、安部政権下の2013年と2018年にも大幅な見直しが行なわれた。

なかでもとくに槍玉にあがったのが、日常生活の経費を保障する「生活扶助」と、子育て世帯のための「母子加算」や「児童養育加算」である。母子世帯に支給される母子加算(月額2万円程度)は、小泉政権下の2005年から段階的に廃止され、2009年4月に一旦全廃された。民主党政権の発足により同年12月に復活したが、安部政権下で再び削減されることになった。

3歳未満の子ども等に対する「児童養育加算」は、従来児童手当と同額が支給されてきたが、2018年の見直しで、児童手当の金額よりも引き下げられた(1.5万円から1万円へ)。学習支援費も定額から実費に限定され、扶助の対象もクラブ活動費のみとなった。

その結果、子育て世代の生活保護費は、子どもの貧困対策以後かえって減少する。桜井啓太(2018)の試算によると、40代夫婦と小学生・中学生の世帯の場合、2013年4月の生活扶助基準(本体のみ、都市部)は約20万円だったが、2020年は17.6万円、40代のひとり親と小学生・中学生の世帯の場合は、同じく16.8万円から14.7万円に減少する(「2018年度からの生活保護基準見直し―子どものいる世帯への影響を中心に」『賃金と社会保障』旬報社、No.1700)。

その一方で、「収入を増加」させたり、「自立を助長」したりするための「生業扶助」は拡充されている。2005年度に生業扶助の一環として、高校生の学用品費、授業料、教材代などを支給する「高等学校等修学費」が創設され、2007年度には「ひとり親世帯就労促進費」が設置された。そして、2013年には、「生活困窮者自立支援法」が制定され、生活困窮者の自立支援の一環として「子どもの学習・生活支援事業」が盛り込まれた。

このように、生活保護制度においても、生活を支えるための現金給付が抑制されつつ、子どもの教育や親の就労を促進するための現物給付が拡大しているのである。

「貧困の連鎖」を断ち切るための子どもの貧困対策

ここまで見てきたように、今日の子どもの貧困対策は現物給付を拡大する一方、現金給付に対してはきわめて消極的・抑制的である。実際、2019年の大綱は、「子供に支援を届ける方法としては現物給付がより直接的」であると述べており、現金給付に対する否定的な姿勢を明言している。また、「子供に支援を届ける方法」とあるように、親ではなく、直接子どもを支援することが意図されており、この点も今日の子どもの貧困対策の大きな特徴である。

では、なぜ子どもの貧困対策は現金給付を抑制し、子どもへの現物給付を拡大するのか。それは、子どもの貧困対策が、「子どもの現在及び将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう」にするための政策だからだろう(子どもの貧困対策推進法第1条)。つまり、今日の子どもの貧困対策は、国と地方公共団体が教育サービスという現物を子どもに直接提供することによって、教育の機会を提供し、子ども自身が「貧困の連鎖」を断ち切るようにするための政策なのである。

生活の保障から「ワークフェア」へ

こうした今日の貧困対策は、高度経済成長期までの貧困対策とは大きく異なる。1957年版の『厚生白書』は、先進国における貧困は、「高水準の経済力のもとにおける所得の適正な分配についての失敗」として捉えるべきだとし、「わが国における貧困対策の貧困さ」「貧困についての問題意識の低さ」「貧困追放の意欲の欠乏」を主張した。

この当時、貧困は何より所得の再配分の失敗として捉えられていたのである。こうした理解は、子どもの貧困を家庭の貧困の「連鎖」の問題として捉える今日の捉え方と対照的である。

それゆえ、かつての貧困対策では、社会保障給付を拡充して再配分機能を高め、貧困世帯の生活と生存を保障することが目指された。1961年に母子世帯の「生活の安定」を図るために児童扶養手当法が制定され、1971年に制定された児童手当法もまた、子育て家庭の「生活の安定」と「児童の健やかな成長」を給付の目的としたが、それは、子どもの健やかな成長には家庭生活の安定が重要であり、そのためには、社会保障による経済的保障が不可欠だと考えられていたからである。

しかし、1985年の児童扶養手当法の改正により、手当を支給する目的として「自立の促進に寄与する」ことが加えられ(第1条)、2002年の改正で、受給者は「自ら進んでその自立を図り、家庭の生活の安定と向上に努めなければならない」という条文が挿入される(第2条2項)。貧困母子世帯の子どもの「家庭生活の安定」は、社会保障によってではなく、基本的に母親自身の就労によってはかるべきものとされ、親への就労支援=自立支援が進められる。

こうして児童扶養手当は、子どもの福祉を保障するための「所得保障の機能」を縮小して、母親に就労による自立を求める「ワークフェア」(work welfare)へと転換することになった(堺恵『児童扶養手当制度の形成と展開―制度の推移と支給金額の決定過程』晃博書房、2020)。今日の子どもの貧困対策が現金給付を抑制する背景には、こうした「ワークフェア」の理念があるのである。

「児童家庭福祉」から「子ども家庭福祉」へ

子どもの貧困対策はまた、「児童家庭福祉」から「子ども家庭福祉」へ、という児童福祉の理念の転換に基づくものでもある。

1960年代に広がった「児童家庭福祉」という理念は、親と子を一体のものと見なし、親による教育こそが子どもの利益であり権利であるという認識を前提にして、親(母親)による保育や教育を国家・社会が保障しようとするものだった。そこには、「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。」(児童福祉法第2条)とする戦後の児童福祉法の基本理念がある。

それに対し、2016年に社会保障審議会児童部会が打ち出した新しい「子ども家庭福祉」は、もはや親と子の利益を一体のものとは見なさない。子どもは親から「自立」した権利主体であり、それゆえ、親に対して「適切に養育され、発達する権利」を持ち、それが侵害された場合、親権の「停止」や「喪失」をも申請しうる存在である(2011年民法改正)。

子どもの貧困対策が親ではなく子どもに現物給付を行うのは、子どもを独立した権利主体と見なす「子ども家庭福祉」の理念が前提にあるからだろう。一定年齢に達した子どもは、国や地方公共団体から直接現物給付を受け、「生まれ育った環境」に左右されることのないよう、自ら「貧困の連鎖」を断ち切って、親から自立すべきなのである。

親の「第一義的責任」論の登場

こうした現物給付の拡大により、国と地方公共団体の任務は大幅に増大する。だが、子どもの育成に関する公的責任は増加せず、むしろ、軽減されている。2006年に改正された教育基本法をはじめ、2000年代に入って制定された家庭支援や子育て支援に関する法律には、子どもの育成は親が「第一義的」に責任を負うという条文が挿入されるようになったからである。

そのため、2016年に改正された児童福祉法においても、子どもの育成は保護者が「第一義的責任」を負うという条文が新たに設けられ(第2条2項)、親とともに子どもの育成に責任を負っていた国と地方公共団体は、親を「支援」する立場に位置づけ直された(第3条)。

子どもの貧困対策推進法が、国と地方公共団体の任務を貧困対策の策定とその実施に限定し(第3条)、子どもの貧困の削減に責任を負うと明記しないのは、こうした親の「第一義的責任」論が前提にあるからだろう。子どもの貧困対策が現金給付に消極的なのもそのためである。子どもの貧困対策は、子どもの養育は親に「第一義的」に責任があると見なすことで、親に就労を促し、現金給付を抑制するのである。

このように、親の「第一義的責任」論は、近代自然法の普遍的な理念にみえて、実は、国や地方公共団体が子育て支援や貧困対策を行なうに当たって採用した新たな政策理念あるいは法概念と言えるだろう。国と地方公共団体は、親の「第一義的責任」論によって自らの責任を軽減することで、現金給付を抑制しつつ、現物給付などの支援を行うようになったのである(広井「学校と家庭の教育責任の変容」大桃敏行・背戸博史編『日本型公教育の再検討』岩波書店、2020年)。

申請による個人給付としての教育と保育の無償化

教育と保育の無償化もまた、親の「第一義的責任」論を前提とした「個人給付」である。このことは、そもそも親に教育責任がある以上、当然のことに見えるかもしれない。だが、1971年に児童手当法が制定された際、児童手当は「児童養育に社会が積極的に参加することを示した社会的制度」として捉えられていた(1971年版『厚生白書』)。同じ給付制度でも、親の「第一義的責任」論を前提とした今日の給付制度とは、意味づけが大きく異なる。

実際、今日の高校無償化は、義務教育の無償制とも、そして、2010年度に民主党政権下で導入された公立高校無償制度とも、制度理念や制度設計がかなり違う。民主党政権時代の公立高校無償制は、「授業料を徴収しない」と法律で定め、国が授業料に相当する経費を都道府県に対して交付するものだった(ただし、私立高校は「就学支援金制度」)。

それに対し、自民党政権下で2014年度から実施された現行制度は、一定所得以下の世帯の高校生に対して授業料相当分を給付する「就学支援金制度」である。そのため、生徒は受給に際し、資格の認定を受け、申請書等を提出し、毎年収入状況を報告する必要がある。

2019年10月から実施された幼児教育・保育無償化も、保育園などの利用料を保護者に給付する制度である(対象は3歳から5歳の児童、および、非課税世帯の0歳から2歳児)。保護者がこの給付を受けるには、市町村に申請する必要があり、受給資格があると認定された場合に「教育・保育給付」(施設型給付費など)が給付される。給付金は保護者には直接給付されず、市町村が施設に支払うが、それは施設が保護者の代理として受領することになっているからであり(法定代理受領)、親が保育料を支払う必要がなくなったということではない。

このように、近年の無償化は、無償化といいながら、義務教育の無償制のように、授業料を徴収せずに、次世代育成のコストと責任を社会が負担する制度ではない。あくまで親が授業料や施設利用料を払うことを前提に、親や高校生が申請した場合にのみ、相当分を「支援」する個別支援制度である。

こうした申請主義は手続きが煩雑であり、アクセスできない人がかなりいるうえ、膨大な事務コストがかかる。それでも今日の無償化が申請による個人給付制度なのは、受給資格を認定し、受給者を限定するとともに、教育費を負担すべき親の責任を確認するためだろう。親は申請のたびに、保育や教育の費用は本来自ら負担すべきものであるということを認識することになるのである。

子どもの貧困対策は問題解決を子どもに委ねる

以上のように、今日の子どもの貧困対策は、貧困問題を「所得の再配分の失敗」として捉えるのではなく、家庭の貧困の「連鎖」、つまり個々の家庭の問題として捉える。その前提には、子どもの養育は親に「第一義的」に責任があるとする親の「第一義的責任」論がある。

そのため、子どもの貧困対策では、子どもの生活と生存の保障は主要な目的とはならず、「子どもの現在及び将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう」にすることが目指される。

こうして、子どもの貧困対策にもかかわらず、子どものいる家庭への現金給付が抑制・削減され、母子世帯の社会保障給付費は、児童手当のみの一般世帯以上に削減されてきた。子どもの貧困対策が、かえって貧困世帯への現金給付を削減しているのである。

その一方で、教育の現物給付が拡大されたが、それにより教育を受けるチャンスが広がったとしても、将来、実際に貧困から脱出することができるかどうかは、かなりの程度子ども自身に任させる。

現金給付を削減・抑制し現物給付を拡充する今日の子どもの貧困対策は、子どもの貧困の削減に直接責任を負わず、貧困問題の解決を親と子どもに委ねる政策なのである。


【米中ウオッチ】FRB注視、共同貧困、再格下げ、電気値上げも

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アジア新興国、貧困層拡大 中国除き2年連続増加(写真=ロイター)

 

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アジア新興国、貧困層拡大 中国除き2年連続増加(写真=ロイター)

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世銀報告 感染拡大で就業難

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【シンガポール=中野貴司】世界銀行は28日、中国を除いた東アジア・太平洋地域の新興国の貧困層が2021年に2年連続で増加し、高止まりすると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大により就業できない人が増えるためだ。教育機会の減少によって若い世代が生涯に得られる収入が3.8%減る恐れがあるとも警告した。

世銀は同日発表した東アジア・太平洋地域の新興国の経済見通しの中で、1日当たりの所得が5.5ドル(約...

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news.yahoo.co.jp 「こども食堂」政策化より新総裁に求めたいもの 社会活動家・湯浅誠が語る〈AERA〉(AERA dot.) - Yahoo!ニュース

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「こども食堂」政策化より新総裁に求めたいもの 社会活動家・湯浅誠が語る〈AERA〉(AERA dot.) - Yahoo!ニュース

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AERA dot.

*  *  *  1990年代から貧困の問題に関わってきた私から見て、安倍・菅政権の9年間は決して悪くなかったと思います。相対的貧困率は安倍政権下の2015年から下がってきていますし、最低賃金は上がり、大学無償化法も低所得世帯など一部対象ですが成立しました。  菅義偉さんも、安倍晋三さんから引き継いだ「1億総活躍社会」を裏支えするためにも必須な「孤独・孤立対策」に取り組みました。当初は「まずは自助」発言で批判もされましたが、コロナ禍での自殺も増えるなど同対策の重要性がさらに増す中、発言を結果的に修正しました。いずれの対策も2人が本当にやりたかったのかはともかく、貧困問題への社会意識の高まりを受けて、結果は出したわけです。  ただ、総理総裁は国民から話しぶりも含めて見られる存在。とくに菅さんは会見などでプロンプターを「読んでいる感」が出て、貧困対策を「心からやりたい」という思いが国民に伝わりにくかった。「語り力」の力強さは、総理総裁になる人にとって重要な要素だと思います。  総裁選に立候補している4人のうち、貧困問題で言えば、私の主張に近い内容を話しているのは、格差是正を掲げる岸田文雄さんや、虐待・貧困に対応する「こどもまんなか社会」に言及する野田聖子さんでしょうか。  ただ、実際に総理総裁になって実現できるかはガバナンスの問題が大きく影響します。民主党政権で、鳩山由紀夫さんは子どもの貧困問題に熱心でしたが「子どもの貧困対策法」を通せず、通したのは鳩山さんほど関心がなかったかもしれない安倍さんの政権です。個人として持つ主張と、総理総裁としてできることは一緒ではないでしょう。  私のような実践者としては、誰が総理総裁になっても聞く耳を持ってくれるよう働きかけていきますし、一生懸命説明して訴えます。新総裁には貧困対策や孤独・孤立対策をきちんと進め、かつ深めていただく。そこに総裁ご本人の気持ちも乗れば、さらにウェルカムです。

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2021年9月29日水曜日

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見える貧困と見えない貧困|“ことば”を旅する連載・第28回(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース

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クーリエ・ジャポン

日本の17歳以下の子どもの貧困率は13.5%(2019年厚労省)で、「7人に1人が貧困」とされている。「子どもの貧困」という言葉が頻繁に聞かれるようにはなったものの、実感できていない人が多いのも現実だ。

赤黒い土壌から生まれたヒップホップ

ラップの技を競い合わせ、将来のスーパースターを発掘しようという、最近見た米国の番組がとても面白くて、やはり米国は今でもたくさんの才能を生み出し育む土壌を持つ国なのだなと改めて感心した。 しかしその土壌は決して美しい緑色の草原などではなく、インディオたちに取って代わった白人の住人たち、訳あって世界中から集まってきた移民やアフリカから強制連行された黒人たち、その長きにわたるかかわりの中で流れた汗と涙と血と唾とが染み込む赤黒い土壌なのだ。 赤黒い土壌から芽生え、そこから抜け出そうと天に伸びる双葉は力強く、生命力に満ち溢れた美しい花を咲かせるのだろう。 特にヒップホップの世界は、いまだに一部の白人社会から不当な差別を受け、貧困・犯罪といった日常に甘んじ、屈折した幼少期を運命づけられる子どもたちの居場所として機能する側面を持っている。 番組に出演していた、生まれて9ヵ月で母親が家を出て行き、男手一つで育てられたという若きラッパーがこう言っていた。 作品に夢中になれるのは現実逃避だから。 痛みを美しいものに変えられるんだ。 人は何かを失ったとき10倍良いモノを得る。

貧困とは何か

何年か前に沖縄県から「沖縄の子どもの貧困が問題になっている。支援のために協力してほしい」という依頼があった。その時、正直「貧困??」と、たくさんの「?」が頭の中にあふれた。21世紀の日本で、「貧困」という言葉の響きを耳にするとは、思いもよらなかったからだ。 「貧困」について調べてみると「教育・飲食・住居・仕事・医療など、社会生活に必要な条件を満たせないこと」などの定義を国連が定めていることを知った。貧困にはさらに2種類の定義があり、ひとつは「絶対的貧困」と言い、これは人間らしく生活するための必要最低限の条件が揃っていないことを指す。多くの人が「貧困」という言葉を聞いた時に描くイメージはこの絶対的貧困にあたるのだろう。 1985年にアフリカ難民救済を目的とし、ミュージシャンのボブ・ゲルドフが中心となって立ち上げた「ライブエイド」という大規模のチャリティーコンサートが、英国と米国で同時に行われ、世界中で衛星生中継されたことがあった(その他の会場でもコンサートが行われ、多くのアーティストが出演した)。この時に「貧困」という現実を世界中が直視し、当時の世界における「貧困」の定義が認識され、良くも悪くも持てる者と持たざる者の格差を浮き彫りにする一大イベントになった。 莫大な寄付金が集まったようだが、結局、金銭トラブルが起きたり、末端まで支援が届かなかったり、残念ながら「貧困問題はお金だけでは根本的には解決できない」ということも我々は知ってしまった。 絶対的貧困というと、飢餓問題や政治的な問題を抱え、虐げられた人たちが暮らすアフリカ諸国などの国々をイメージするだろう。加えて、独裁者や原理主義的な宗教観、人種間の優劣を根拠にした差別が、大衆の自由を拘束し貧困へと追いやるケースも世界中に存在する。 このような地域では一握りの富裕層が富と権力を独占し、多くの貧困層をコントロールしている場合が多い。クーデターや内戦で国を追われ、難民としてさらに貧困の深淵に押しやられるケースも後を絶たない。 「沖縄で子どもの貧困が問題になっている」と聞いた時の違和感は、このような絶対的貧困と、自分が知る沖縄とが結びつかなかったからだ。自分はコンサートツアーで、南米や東欧の貧しい国々も周ったことがある。ニカラグアでは最貧層の子どもたちになんとか教育を受けさせたいと奮闘する現場も見学させてもらったし、中南米には貧困に打ち勝つ手段としての犯罪が日常であり、自分も何度か危険な目にさらされたこともある。 そういったゼロメートル地帯を少しは知っている身として、沖縄では少なくとも自分が知る「貧困」を感じた経験はない。正直、沖縄県からの依頼に、はじめはまったくピンとこなかった。

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貧困“再発見”から15年…子どもの貧困対策が「現金給付」に消極的である理由(広井 多鶴子) @gendai_biz

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貧困“再発見”から15年…子どもの貧困対策が「現金給付」に消極的である理由(広井 多鶴子) @gendai_biz

広井 多鶴子 実践女子大学教授 プロフィール
2-2 minutes

貧困の再発見と子どもの貧困対策推進法の制定

「貧困」が再発見されたのは、2006年のことである。その頃、私は授業で恐る恐る「日本に貧困問題はあると思うか」と学生に尋ねた記憶がある。それほど「豊かな日本」には「貧困」はないという思い込みが広がっていた。

その後、2008年は「子どもの貧困元年」と言われ、2013年に議員立法により「子どもの貧困対策の推進に関する法」が制定される。そして、翌2014年、「子どもの貧困対策大綱」(以下、大綱)が閣議決定され、2019年には同法と大綱が改正される。

こうして様々な子どもの貧困対策が実施されるようになり、ひとり親世帯の貧困率の高さも広く知られるようになった。貧困が問題になり始めた2006年、竹中平蔵総務大臣(当時)は、日本社会に格差は存在するが、「社会的に解決しないといけない大問題としての貧困はない」と語ったそうだが、おそらく竹中氏も、今はもうそのようには言わないだろう。

〔PHOTO〕iStock

現金給付の抑制と現物給付の拡大

そうした中、子どもの貧困率は2012年の16.3%をピークに、2015年13.9%、2018年13.5%と減少してきた。なぜ減少したのか。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林庸平・横山重宏(2017)は、2015年の子どもの貧困率低下の要因は、「低所得層の賃金の増加が主因であり、社会保障の充実等が理由ではない」と分析する(「『子どもの貧困率の低下』の背景を探る」)。子どもの貧困対策にもかかわらず、社会保障による「現金給付」は拡充していないというのである。

確かに、貧困率を集計している厚生労働省の「国民生活基礎調査」を見ると、18歳未満の「児童のいる世帯」の社会保障給付金(年間)は、2013年の子どもの貧困対策法以後増加しておらず、むしろ減少している(2012年23.2万円、2015年17.4万円、2018年18.5万円)。

20歳未満の子のいる「母子世帯」の社会保障給付金も、2012年の49.3万円がピークであり、以後、2015年42.5万円、2018年37.3万円と減少している(次の表)。しかも、児童のいる世帯全体より、約半分が貧困世帯の母子世帯の方が、社会保障給付費の減少幅が大きい。

厚生労働省「国民生活基礎調査」(各年)より作成 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/20-21.html
母子世帯は、死別・離別・未婚などで、現に配偶者のいない65歳未満の母親と20歳未満の子(養子を含む)のみの世帯をいう。「社会保障」は、年金以外の社会保障給付金。「その他」は「公的年金・恩給」「財産所得」「仕送り・企業年金・個人年金・その他の所得」の合計。

その一方で、近年、「幼児保育・教育の無償化」や「高校授業料無償化」、「大学授業料無償化」などの教育支援が進められており、これらの「無償化」も、子どもの貧困を解決するための「現物給付」として位置づけられている。今日の子どもの貧困対策は、使途がある程度親に任されている現金給付を抑制あるいは削減して、教育や保育という特定の現物給付を拡充しているのである。

中国除くアジア新興国、貧困層2年連続増加 世界銀行(写真=ロイター)

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中国除くアジア新興国、貧困層2年連続増加 世界銀行(写真=ロイター)

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【シンガポール=中野貴司】世界銀行は28日、中国を除いた東アジア・太平洋地域の新興国の貧困層が2021年に2年連続で増加し、高止まりすると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大により就業できない人が増えるためだ。教育機会の減少によって若い世代が生涯に得られる収入が3.8%減る恐れがあるとも警告した。

世銀は同日発表した東アジア・太平洋地域の新興国の経済見通しの中で、1日当たりの所得が5.5ドル(約600円)以下の人を貧困層と定義し、23カ国の約21億人の状況を分析した。

コロナ前の予測では、中国以外の22カ国の貧困層は19年の計2億5900万人から21年は計2億4100万人に減少する見通しだった。実際は20年に2億6400万人、21年も2億6600万人と2年連続で増加した。コロナ前の予測との差は約2500万人に上る。

多くの国で新型コロナワクチンの普及が遅れ、先進国に比べ経済の回復が遅れるからだ。世銀は「20年には多くのアジアの新興国が新型コロナの封じ込めに成功していたが、今は先進国と状況が逆転した」と分析した。

コロナ前まで高成長を続け、貧困を年々減らしてきたアジアの新興国が「21世紀に入って初めて、低成長と不平等拡大に同時に直面している」とも指摘した。特にインドネシア、フィリピン、ミャンマーで貧困からの脱却が遅れているという。

学校が休校になったり、家庭の収入減で中退したりすることによる子供への影響も深刻だ。世銀の推計では、東アジア・太平洋地域の新興国の子供が学校で教育を受ける期間は0.7年短くなり、将来得られる年収も524ドル減る。生涯収入に換算すると、3.8%の減少となる。

一方、経済がいち早く回復した中国は21年に貧困層の人口が3700万人減る見通しで、減少ペースはコロナ前の予測とほぼ変わらない。子供が将来得られる収入の減少幅も約300ドルと、東南アジア諸国連合(ASEAN)や他の東アジアの国に比べて小さい。

世銀は21年の中国の経済成長率の見通しを8.5%と、4月時点の予測(8.1%)から引き上げた。それ以外の22カ国の成長率見通しを4月時点の4.4%から2.5%に大幅に引き下げたのとは対照的だ。

中国では不動産大手、中国恒大集団の債務問題が注目される。世銀のアディティヤ・マトゥー東アジア・太平洋地域担当チーフエコノミストは日本経済新聞に「恒大の問題は中国政府が不動産業界の過剰債務を抑制しようとしたことが起点になった」として、突発的に起きた管理不能な事態ではないと説明した。

「依然どのように収束するか見えない点が長期的な懸念事項だ」としながらも、現時点で中国経済の回復シナリオを見直す事態には至っていないとの認識を示した。


「年収1千万円まで所得税1年間免除」 立憲・枝野案に夜回り先生が異論 「貧困層への配慮を」 (まいどなニュース) - Yahoo!ニュース

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「年収1千万円まで所得税1年間免除」 立憲・枝野案に夜回り先生が異論 「貧困層への配慮を」 (まいどなニュース) - Yahoo!ニュース

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 立憲民主党の枝野幸男代表が26日、コロナ禍での経済対策として、年収1千万円程度までの世帯を対象にした所得税の1年間免除を掲げた。一夜明けた27日、「夜回り先生」こと教育家の水谷修氏は、この案に対して「恩恵を受けるのは中流層」とし、「そこからはじき出された貧困層」などへの配慮を求めて「枝野さん、もう少し考えて欲しい」と呼びかけた。    ◇      ◇     ◇  立憲民主党の枝野幸男代表は、政権交代したときには、もうすぐ2年を迎えることによる、新型コロナウィルス感染拡大への国民支援対策として、年収が1千万円程度を下回る人たちの所得税を1年間ゼロとする公約を26日に発表しました。  2020年の統計では、我が国で、年収1千万円以上の所得を得ている人の割合は、4・8%ですから。全国民の95・2%が、この恩恵を獲得する素晴らしい公約だと喜んでいる人たちも多いと思います。この公約で、立憲民主党による政権交代を支えようと考えた人も少なくないと思います。特に、公務員や立憲民主党の支持母体「連合」傘下の人たちにとっては、その恩恵は大きく、所得税を払わなくていいために生じた所得が、旅行や飲食、その他の消費に回り、日本の、この新型コロナウィルス感染拡大で疲弊した経済全体を活性化させることとなるでしょう。とても、素晴らしい公約に見えます。  でも、本当にそうでしょうか。  実は、この公約には、重大な欠陥があります。古い統計ですが、2018年の「国民生活基礎調査」によると、日本の総世帯数6227万世帯のなかで、1583万世帯が、住民税非課税世帯となります。この世帯数は、新型コロナウィルス感染拡大の中で、さらに増加しているでしょう。つまり日本の25%以上の世帯は、課税対象となるだけの所得を得ていないということであり、その中には、多くの高齢者世帯、片親家庭世帯が含まれています。この公約では、もともと所得税を払っていない、これらの世帯に対して何の救済にもならないのです。  この公約で、最も恩恵を受けるのは、まさに枝野氏が「この国を支える分厚い中流」と呼んだ、公務員や立憲民主党の支持母体である「連合」傘下の安定した企業に勤める人たちであり、厳しい言い方かもしれませんが、今回の新型コロナウィルス感染拡大の中でも、その生活への影響の少なかった人たちです。  現在本当にやるべきことは、こんな政策ではないはずです。この感染拡大の中で、アルバイトや仕事が減り苦しんでいる学生や片親世帯への現金給付等の支援、2020年度から、この感染拡大で収入が急速に減り倒産に至ろうとしている中小を含む企業や個人経営者への、2019年度支払った所得税との差額の全額または、一部の還付など、できること、しなければならないことはたくさんあるはずです。  枝野さん、考えて欲しい。今救わなくてはならないのは、一に「分厚い中流」の人たちではなく、今を今日を何とか生きぬこうと苦しんでいる、「分厚い中流」からはじき出されてしまった人たちや貧困に苦しむ若者たち、片親家庭、高齢者の人たちなのではないですか。

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「共同貧困」に陥る恐れも、中国恒大が示す「共同富裕」に潜むリスク Shuli Ren

 www.bloomberg.co.jp

「共同貧困」に陥る恐れも、中国恒大が示す「共同富裕」に潜むリスク

Shuli Ren
3-3 minutes

  • 中国恒大は従業員に自社の金融商品に投資するよう促していた

  • 中国恒大の強引な説得で従業員らの人生も変わってしまった

relates to 「共同貧困」に陥る恐れも、中国恒大が示す「共同富裕」に潜むリスク

Illustration: George Wylesol for Bloomberg Businessweek

中国が数カ月にわたり推し進めている「共同富裕」(共に豊かになる)政策は、所得格差の縮小と富裕層の抑え込みを意味している。中国で今盛んに言いはやされているのは株主資本主義ではなく、顧客や従業員、そして地方政府までもが企業に対しどのように事業を行い、利益を分配するかに口を出すステークホルダー(利害関係者)資本主義だ。

  中国共産党の習近平総書記(国家主席)が社会主義の原点回帰を促す前にすでに1人の富豪がそれについて語り、行動を起こしていた。不動産開発会社としては世界最大の負債を抱え、破綻の危機に瀕している中国恒大集団の創業者、許家印氏だ。35年余り前から共産党員である許氏は2018年のスピーチで、スローガンとして共同富裕を使っていた。同氏は医療研究といった名目で多額の寄付を行い、数年にわたり中国で最も慈善事業に貢献していた人物と評価されていた。

  中国恒大が資金不足に陥った際、同社は従業員もステークホルダーになってほしいと考えた。今年に入り中国恒大は従業員に自社の金融商品を購入するよう促し、そうでなければボーナス(賞与)を失うリスクがあると伝えた。中国恒大が販売した住宅の購入者はパニックに陥っているが、今では多数の同社従業員も住宅購入者と共に中国恒大に資金の返還を要求している。

  中国の不動産事業は常に若干のステークホルダー資本主義的な要素があった。開発会社は土地購入のため信託会社から資金を借り入れることが多いのだが、信託会社はそのプロジェクトを担当する開発会社の上級管理職にそうした信託商品の投資家になるよう要請。5年前の現地報道によれば、中国恒大のプロジェクトに投資した信託商品は年利30%の提供が可能だった。

  だが中国恒大が一段と大きくなり、財務の逼迫(ひっぱく)が進むと、こうした「共同投資」は中間管理職に、そして最終的には一般社員にまで広がった。金融商品の条件も悪くなった。中国恒大が売った「理財商品」の利回りは5-10%。加えて、こうした商品は社員が関与している住宅事業と必ずしも関連するものではなかった。つまり、社員は自らが投資した商品の質について何も分からないのだ。

  企業は債務再編時でも普通に営業できる。債権者と株主が話し合いを続けている間、従業員は賃金が支払われ解雇されない限り、働き続けることができる。だが、中国恒大の強引な説得はこうした働き手の人生を変えた。今は中国恒大の債権者でもある社員は強力な銀行に対して不利な状況で、自分の立場さえはっきりしていない。街頭で抗議活動を行うのも無理はない。

  共同富裕の支持者は、企業は従業員とある程度の利益を共有する必要があると言う。立派な考えだが、中国の政策立案当局は債務依存の企業文化にも注意を払うべきだ。中国恒大は顧客や従業員、供給業者を含めあらゆる相手から借金をしている。共同富裕がすぐに「共同貧困」に転じる可能性もある。

(シュリ・レン氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストです)

原題:
Evergrande Shows the Risk Lurking in China’s ‘Common Prosperity’(抜粋)

(原文は「ブルー

「お肉!」と喜ぶ母子と非正規21万人減 見えない貧困急増

 business.nikkei.com

「お肉!」と喜ぶ母子と非正規21万人減 見えない貧困急増

日経ビジネス電子版
2-2 minutes

  1. TOP
  2. 河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
  3. 「お肉!」と喜ぶ母子と非正規21万人減 見えない貧困急増

(写真:Shutterstock)

(写真:Shutterstock)

 「会社からはちょっとでも体調が悪いときは、絶対に休めって言われてるんだけど、休んだら給料減るわけだから。なかなか難しいですよね」

 先日、タクシーで“事故現場”をたまたま通った際、運転手さんがこう嘆いた。

 そこは東京都千代田区九段南。走行中のタクシーが自転車や歩行者をはね、73歳の女性が亡くなるという痛ましい事故が起きた場所だ。運転手の男性は64歳。捜査関係者によると、運転中にくも膜下出血を起こしたとされている。

「コロナ前」の生活に戻れる?

 男性が所属する東京旅客個人タクシー協会によれば、男性は乗務歴25年のベテランで、年2回の健康診断を必ず受け、今年7月の健診でも異常はなかった。事故が起きたのは普段は休んでいた土曜日で、「コロナ禍で客が減り、休日返上で仕事に出ていたのではないか」という。

 高齢化、低賃金、新型コロナウイルス感染拡大による追い打ち、そして生活苦……、そんな厳しい状況下で起きた事故に対し、冒頭の運転手さんは、「事故は絶対に起こしちゃいけないし、健康管理は徹底しなきゃです。でもね、ちょっと頭が痛い、ちょっと具合が悪い、ちょっと倦怠(けんたい)感があるからって休んでたら生活できないですわ」と、嘆いていたのである。

 で、その日は帰りのタクシーの運転手さんとも、“厳しい話題”になった。

 「今は週2回、たった2回しか乗務させてもらえない。そりゃあ、厳しいですよ。もともともらってる金が少ないのに、勤務がたったの週2ですからね。しかも、人が外に出て来ないことには、商売にならない。どうにもならんですわ。

 若い奴らはトラックのほうが稼げるって、辞めていったけどね。60過ぎたらそれもできません。組合は副業を認めろって交渉してるけど、国から健康管理をうるさく言われてるから、会社は許しませんよ。この年になって、こんなに生活が苦しくなるなんて、考えてもみなかった。情けないねぇ」

 運転手さんは笑って話してくれたけど、“あきらめ感”みたいなものが漂っていて。なんと返していいのか正直分からなかった。気の効いた言葉が浮かばないのだ。コロナ感染拡大が深刻化した当初から、「格差は広がる」と考えていたけど、コロナの影響は想像以上に長引いている。これだけ長くなると、「元に戻る」ということが、どういう状況なのかも想像もできない。

 2020年11月に、渋谷区のバス停で野宿をしていた60代の女性が、40代の男に殺された事件を覚えているだろうか。女性は長年試食販売員として普通に生活していたのに、コロナで収入が途絶え、貯金も底をつき、家賃が払えなくなった。人目を避けるように、ひっそりとバス停のベンチで夜を明かしている中での事件だった。

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2021.9.28更新

FT]光熱費上昇、イタリア貧困層を直撃 政府が救済策(写真=ロイター)

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[FT]光熱費上昇、イタリア貧困層を直撃 政府が救済策(写真=ロイター)

Nikkei Inc.
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Financial Times

マリア・グラツィア・ジンガレッロさんは自分の耳を疑った。イタリア政府が今後3カ月で電気料金が4割上がる可能性があると警告を発したのだ。

「これ以上上がったら、どうにもならない」。ミラノ出身で49歳の介護ヘルパー、ジンガレッロさんは、すでに家賃や光熱費、食費など家計のやりくりに苦労しているという。「カレンダーに何度も目をやって、月末までもたないのではないかと心配している」

娘2人、孫2人と小さなアパ...

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