貧困国のコロナワクチン普及に全力を挙げるべき根本理由 | 会社四季報オンライン
貧困国のコロナワクチン普及に全力を挙げるべき根本理由 | 会社四季報オンライン

低所得国でワクチンを接種しているのは成人の2%以下だ(写真:ブルームバーグ)
投資家に役立つ、グローバル経済の争点を提供する「世界のホットイシュー」。今回は、世界のワクチン格差問題。果たして「ワクチン先進国」と「ワクチン貧困国」の間の溝を埋めることができるのだろうか(原題はThe Global North's Great Test)。本コラムの筆者はゴードン・ブラウン元英国首相。先進国の指導者に「決断」を迫る。
アフリカをはじめとする貧困国が、大量の未使用ワクチンの備蓄をやめるよう富裕国に懇願を続けている。そうした中、アメリカと欧州が今年のG7サミットで交わした「2022年末までに世界中にワクチンをいき渡らせる」という約束が守られるだろうか。その実現は、疑わしいといわざるをえない。
低所得国の成人ワクチン接種率は2%以下
アメリカのジョー・バイデン政権は、来年9月の国連総会までに北半球の国々は、世界に必要なだけのワクチンを提供できるとしている。しかし「ワクチン先進国」と「ワクチン貧困国」の間の溝は非常に大きくなっている。
ほとんどの高所得国では成人の50%以上がワクチンを接種済みなのに対し、低所得国でワクチン接種を終えているのは成人の2%以下にすぎない。さらに悪いことには、富裕国では大量のワクチンが有効期限切れとなり、無駄に廃棄されている。
少なくとも今年初めの数カ月間であれば、欧米の政府は世界の需要を満たすだけのワクチンが提供できないという言い分もあった。しかし現在は、毎月15億回分のワクチンが生産されている。この原稿を書いている間にも、約3億回分のワクチンが使われずに倉庫にため込まれ、または独占契約を果たすため欧米諸国に配送されている。
結果として、世界保健機関(WHO)が掲げた、今年9月までに世界の低所得国全体の少なくとも10%にワクチンを摂取するという目標は実現されていない。これは、医療関係者や高齢者をカバーする最低ラインの人数である。
犯罪的な無駄
イギリスの調査会社「エアフィニティ(Airfinity)」の大規模調査によると、今年の12月までに、未使用ワクチンの数は10億回分に達するとのことだ。この驚異的な数字は、年末までにアフリカ人口の40%にワクチンを接種するという目標を達成するのに十分な量といえる。
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